市販シャンプーと美容室シャンプー何が違うの?

市販のシャンプーと美容室のシャンプーの成分の違いとは?

 

【市販シャンプー】

どんな洗浄成分が使われているかが、シャンプーの一番の柱になります。市販シャンプーでは「高級アルコール系」と呼ばれる洗浄成分をメインに使用されたものが多いです。これは、非常に値段が安いのに泡立ちがいいという特徴があり、台所用洗剤などにも使用されます。”泡立ちがいい=洗浄力が強い”ということになるため、髪や肌に必要な脂分まで落としてしまうことがあり、ダメージを進行させたり、カラーやパーマのもちを悪くする原因にもなります。また、「高級アルコール系」洗浄成分の多くは石油由来であることも特徴です。容器の裏書に『ラウリル~』、『ラウレス~』、『~硫酸~』という表示の成分があるものが見分け方になります。

 

【サロンシャンプー】

サロンシャンプーでは「アミノ酸系」と呼ばれる洗浄成分をメインに使用されたものが多いです。髪や肌もアミノ酸で構成されていますので、非常にやさしい、安全性が高い、という特徴がありますが、値段は高くなります。「高級アルコール系」と比べて泡立ちはやや弱いのですが、髪や肌に必要な脂分を落とすこともないので、長期間使い続けても負担が少なく、カラーやパーマのもちを良くするというポイントからもお勧めされます。容器の裏書に『~グルタミン酸~』、『~グリシン~』、『~アラニン~』というようにアミノ酸の表示が含まれる成分があるものが見分け方になります。多くは『ココイル~』、『コカミド~』というヤシ油由来の成分と組み合わさっています。注意しなくてはいけないのは、少しでも「アミノ酸系」洗浄成分が入っていると、”アミノ酸系シャンプー”とアピールしている商品があることです。裏書の成分は濃度順に並んでいます。(1%以上の成分)水の次に並んでいるが、メインの洗浄成分だと見分けて下さい。

 

【シリコン】

洗浄力が強いと必要な脂分まで落としてしまうため、本来は髪がきしんでしまって指通りが悪くなります。その”悪い使用感”をカバーするために配合されているのがシリコンです。シリコンは鍵穴や自転車のチェーンの滑りを良くする時にも使用される”滑り剤”のようなものです。市販シャンプーの多くが「泡立ちがいいのに指通りがいい」のは、高級アルコール系の洗浄成分とシリコンを組み合わせているからなのです。
シリコン自体の安全性は高いのですが、非常に油分の強いものですので、頭皮を洗うシャンプーには本来お勧めできません。毛穴につまってしまう可能性が高く、毛髪の健全な環境を損なうのです。また、その中でも”高分子シリコン”と呼ばれるものはコーティング力が強く、指通りとツヤを良くしますが、長期間使用し続けることで蓄積するとカラーやパーマの阻害原因になります。
最近では市販シャンプーでも「ノンシリコン・シャンプー」と呼ばれるものが人気になっています。そのこと自体はいいのですが、単に”泡立ちが悪いから髪がきしまない”ということでは、本来のシャンプーの意味が無くなります。どんな洗浄成分やその他の成分と組み合わせてあるかも重要なポイントになります。

 

【その他のポイント】

いくら髪にいい成分が入っていても、使用感が良くても、ヘアデザインを壊してしまうものであれば意味がありません。実際に市販シャンプーを長期間使用し続けていると、「ベトついて髪がペッタンコになる」、「パサつきがひどくておさまらなくなった」、「カラーが褪色しやすい」、「髪が重くなってスタイリングがもたない」という状態が出てくる場合があります。
サロンシャンプーは、プロの目線から”素材の美しさ”と”ヘアデザインの美しさ”のバランスをとった処方が組まれています。カラーやパーマを知り尽くした技術者たちが、カラーヘアやパーマヘアをいかに美しくするかという観点で、ヘアケアに取り組んだ商品です。例えば、サロンのトリートメント技術でも使用する補修成分をたっぷり配合したり、ダメージが進行しないようなケア成分を配合しています。
せっかく時間とお金をかけてされたカラーやパーマやヘアデザインが、安価な市販シャンプーのためにすぐに駄目になることを思えば、サロンシャンプーは美しさをより長く楽しむ”必要経費”ではないでしょうか。そして年齢を重ねられても健やかな髪をずっとキープするためにもオススメです。

市販のシャンプー

メリット

・美容室のシャンプーよりも価格が安く手軽に手に入る

・いい匂いのものが多い

・簡単に泡立つ

・広告が派手で認知度が高い

・ボトルやパッケージに可愛いものが多い

デメリット

・洗浄力が強すぎる

・髪や頭皮への刺激が強く負担がかかる

・種類によっての性能の差が大きい

・髪の補修はできない

 

美容室のシャンプー

メリット

デメリット

 

・洗浄力が低いことで髪や頭皮に負担が少なく優しい

・種類が豊富で髪の状態で美容師が一人一人に

合わせて選定出来る

 

・価格設定が高めなイメージ

・種類が多くどれを選んだらいいか分かりにくい

 

・ヘアスタイルを美しく見せることが出来る

・ヘアカラーやパーマをする際に成分で邪魔をしない

・ダメージを補修するシャンプーである

・とにかく品質重視で効果の高い成分が使われている

 まとめ

・種類の多さが違う

・成分が違う

・価格が違う

・購入場所が異なる

美容師としては、できればサロンシャンプーを使っていただきたいです。

「断固として市販のシャンプーはだめ」と言うことではなく、髪の毛の綺麗のためにサロンシャンプーを使ってあげましょう。

市販のシャンプーもサロン専売品シャンプーもどんどん増えてきてますが、自分に合うシャンプーを見つけることがこれからは大事になってくるかもしれませんね。